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東方神起  ホミン小説

現実が軽く妄想を超えるホミンの素晴らしさをお届けします

胸キュンしたい人は是非お試し下さい

TENSE3(東方神起ホミン小説)

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重たい身体と…それ以上に重たい心を引きずって仕事に出かける



ヒョンのいないこんな時…仕事も憂鬱だけどそれ以上に考える時間があってしまうのが恐ろしい


…ヒョンに会いに行く時間ができてしまうのも



あの日逃げるようにして帰ってからヒョンには会っていなかった



怪訝な顔をされながらもマネージャーに何でもいいから仕事を入れてと頼み込んで



ヒョンは次の日にメールをくれていた



〈今日はこないの?〉



仕事で行けないんです   



短いメッセージを何度も書き直しては送れずに



やっと送った時には疲れ果ててしまった…何よりも自分自身に



仕事で行けないなんて言い訳に頑張ってねと


ヒョンは知っているのに…いくら仕事だからってヒョンのところに行けないほどの仕事なんてあるわけない



レコーディング中でもツアー直前でも無くましてやヒョンの不在で色々な仕事をキャンセルしている今



それなのに…



無くなったスケジュールをここぞとばかり埋めようとするのに苦笑い



単独で出来る仕事は限られている



評判の良かったバラエティー番組は歌手活動の再開で降板したばかりだった



僕にとって転機になった番組



テレビ番組だというのに泣いてしまったりするほど真剣に取り組んで



今まで余り見せなかった率直な姿に皆驚いたみたいだけど僕自身が一番驚いていた



苦手だと思っていた団体のスポーツもやってみると楽しくて…収録に行くのが楽しみになって来たところで降板を告げられた



スケジュール的にどうしても無理だと分かっていてもやっぱり少し釈然としない



……そう思ってのぞんだ最終日の収録に特別ゲストが来るという



誰ですかと聞いても誰も教えてくれずに



かなり忙しい最中だからまさかな、と思ったけどそこに本当にヒョンが現れて



おまけにチャンミンを取り戻しにきましたなんて言うので僕はもう顔も上げられない




2人で活動するようになってしばらく



僕が初めてドラマの主演をした時もそうだった



ヒョンだって忙しいのにわざわざ車を運転してフェリーに乗って撮影現場に現れて…それも何度も



恥ずかしいからやめてと言うと怪訝そうに



〈何で?〉と



〈小学生じゃないんですから保護者同伴なんておかしいですよ〉



〈…僕は保護者じゃないよ〉



だからそうじゃなくて…と説明しようとする言葉はしりつぼみになる



嫌じゃなかった…本当は嬉しかったから




2人での活動が少し落ち着いてくるともう現場にまでヒョンが乗り込んで来ることは無くなって



それを寂しいと思うたびに僕は怖くなる






〈チャンミン可愛い可愛い〉



テレビだろうが何だろうがお構いなしのヒョンの言葉



〈…気持ち悪いですよ〉



そう言って冗談にしてしまうか黙ってしまう僕に屈託の無い顔




……頭を振って記憶を締め出した










どう頑張ってもキャンセルした仕事全部の時間は埋まらない



当たり前か、と帰り支度をしていると鳴り響く着信音に胸を踊らせるけど




「…もしもし?」



画面を見て表れた名前を見て落胆するなんて友達がいのない…



「…ああ」



「何だテンション低いな」



お前が高いんだよ、と言い返すと心配そうに


「ユノ先輩そんなに悪いの?」



「違うって…何それそんな話出てるのか?」



いや…なんて言葉を濁すのについ強い口調



「おい…キュヒョナ!」



僕の見幕にただの噂だって、なんて無責任な言葉に思わずの舌打ち



「靱帯断裂じゃないかとかさ…前にも怪我したところなんだろ?」



僕はもう気が気でない



「何だってそんな…」



「だから噂だって。違うならいいじゃん…でも旅行は中止したほうがいいかな」



一瞬話が見えずにあいた間にキュヒョンが大声で抗議してくる



「チャンミン…お前忘れてたろ」



ヒョンが怪我をする前からどうしてもと無理を言って取ったオフだった



最近流行っているグルメ旅行に行こうとずいぶん前から計画していて本当に楽しみにしていたのに



ごめん、と謝って



「大丈夫行けるよ」



「本当に?でもいいのか?」



「ヒョンの事なら…」



ご両親も来ているし大丈夫、と返そうとした言葉はキュヒョンの話にかき消された



「だってユノ先輩入院するんだろ?」



え?と思って耳を疑った



「入院て…」



「事務所でさっき誰かが…まあでもお前が知らないならガセかな」




仕事を終えて帰ろうと支度しているときにキュヒョンから電話があったからその前の着信もメッセージもチェックしてない



もしヒョンが本当に入院するなら何か連絡があるはず…



怖くなって携帯を眺め着信を見ようとちょっとごめん、と言って通話を切った



ヒョンからの連絡がありませんように



祈りも虚しくヒョンからの着信履歴



留守電を聞こうとしていると部屋に入ってきたマネージャーに詰め寄ってしまう



「ヒョンが入院するって?」



「今お知らせしようと…連絡ありましたか?」



何で早く言わないんだよ、と怒鳴ってしまいそうなのをこらえて荷物をひっつかむ



急ぎ足で車に向かうと遠慮がちに



「入院は明後日からですよ」



「…ヒョンは今自宅?」



そうですねとの返事も待たずにヒョンのアドレスを告げた













いざヒョンのマンションに着いてしまうとやっぱり電話してから…なんて弱気になる



留守電のヒョンのメッセージは入院するけど心配しないでなんて簡単なもので僕は狼狽を隠せずに



僕の様子を見て入院はするけどそんなに心配しなくていいなんて車中のマネージャーの言葉も慰めにはならない




マンションの前で恐る恐る電話をかけると何回目かのコールでヒョンの声が聞こえてきた



「チャンミン?」



ヒョンの声を聞いた瞬間言いようのない感情に突き動かされて言葉が出ずに



それを悟られたらしく優しくヒョンが語りかけてくれる




〈留守電聞いたんだ…?〉



はい、と答える声は小さくかすれてしまう



「びっくりさせてごめん…でも大した事ないから」



「ヒョン」



と言うと思いついたように今どこ?と




「…マンションの前です」



「うちの前ってこと?」



「はい…」




「なんだじゃあ早くあがってこいよ」



何事も無かったみたいなヒョンの言葉



僕が言ってしまった言葉もその後ヒョンを少し避けていた事も何も無かったみたいな






部屋に着くと松葉杖をつきながらヒョンが出迎えてくれたのを見て不思議に思ったのが顔に出たんだろう…



「今日一旦帰ったんだ…また入院する時来てもらうから」



「…そうですか」



答える僕の声は固い…



ヒョンに会ったら言いたかった言葉も聞きたかった事も



何の慰めにもならなくてもただ抱きしめてとかそんなことも出来ずに立ち尽くしていると



「チャンミン食事は?」



なんてヒョンに聞かれてしまって



それどころじゃないと内心思ったけどヒョンの見せてくれる穏やかな日常に僕のヒステリックなメロドラマは似合わない



まだです、と答えると良かったなんて言われて付いていく後ろ姿




「張り切って何だか色々作ってくれて…ありがたいけどやっぱり動かないからそんなに食べれなくて」



キッチンのコンロにチゲがあったりテーブルには作り置きの惣菜が山と積まれていて



危なっかしく松葉杖をついたままご飯をよそおうとしたりするのを慌てて止めた








結局そのまま普通に食事をして…僕が食べるのを見ながらヒョンは世間話



普段あんまりヒョンの口にのぼらない話題が沢山出てくるのを新鮮な気持ちで聞いていると苦笑したヒョンの顔




「ゲームにも飽きたし…暇だからテレビとモバイルばっかり見ちゃって」



「ああ…なるほど」



話が途切れるのが怖くて質問したりして



「…何か面白い話でもありますか?」



「それがさ」



とヒョンの言葉は間の悪い僕の携帯の着信音で遮られてしまう



慌てて取り出すとキュヒョンからでそういえばさっき…と思っていると



「でないの?」



いいんです、と言って電話を切るとしまおうとしたそばから鳴り響く着信音にヒョンが苦笑して



「出た方がいいよ…急用かもしれないし」



「すみません」



目の前のヒョンを意識しながら電話に出ると今大丈夫かなんて…一回切れた通話で察しろよと思いながらも



「うん…さっきの話なら後でメールするよ」



と言うと詳しい話はいいから旅行行くか行かないかだけ教えろよ…と



「多分…いやごめん無理だ」



まじかよ、と冗談ぽく言ってから急に真面目な口調で



「まあそうだろうな…ユノ先輩と連絡取れた?やっぱり入院するって?」



ヒョンの名前にチラ、と本人を見やると聞いてない素振りで少し横を向いている



それでも目の前だからと慎重に言葉を選んでヒョンの事を話していると判らないようにそうなんだ、と



「だから本当に悪い…この埋め合わせは絶対するから」



「いいよそんなの…事情が事情だし」



「そんなの関係ない。絶対埋め合わせするから」



しつこく食い下がるとわかった期待してるなんて明るく言ってくれたから僕も少しだけ胸のつかえが落ちる



僕から誘った旅行だった…



終わってすぐ活動再開するキュヒョンができれば別の日の方がいいと言ってきたのに僕が空いていなくて



だから本当に申し訳ないと思うけど…



後でメールすると言って電話を切るとユノヒョンが無言で僕を見つめていた


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