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東方神起  ホミン小説

現実が軽く妄想を超えるホミンの素晴らしさをお届けします

胸キュンしたい人は是非お試し下さい

セレブリティ2(ホミン小説)

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日常のほとんどが分刻みみたいなスケジュールの中ではゆっくりと考えることすら難しい


常にやらなきゃいけないことのリストがあるような生活だけどそれを楽しんで…というのはあくまで理想だけど




つかの間の休息にチャンミンの姿はない


相変わらず忙しそうに別の仕事に出かける後ろ姿を見送ると入れ違いに歩いてきたスジュのシウォンに肩を叩かれた



「何だよ暗い顔して」


「久々の挨拶がそれかよ…」


重いよ、と言って肩に回された手をどけようとすると含み笑い


シウォンとはドラマで共演したりプライベートでも仲がいい…大体スジュのメンバーは皆練習生の頃から一緒に寮生活してきたような仲間ばかりでお互い気安い仲だった




「チャンミンはまたマンネ同士でつるんでるのか?」



「…仕事だよ」



と言って首を巡らす先ではスジュのキュヒョンが立ち話している


事務所のイベントの集まりなので実際には普段あまり会うことも少ない別のグループのメンバーがごった返していて


今更ながらに驚いてしまう…大所帯になったもんだし何よりほとんどが自分より後輩になってしまった


息を吐いて座り直し辺りを見回した


顔ぶれは皆とても若い…スジュくらいがかろうじて同年代で後はほとんど20歳そこそこだったり


自分の同じ頃と比べるととても完成されているように見える


なのにその反対に屈託無い笑顔やたわいもないやりとりを聞いて酷く幼いような


…要するに僕が歳を取ったということだ


昔は他人の年齢なんて気にならなかったし第一いつも一番年下なのが当たり前だったのに


今ではヒョン(敬称・兄さん)を付けずに呼ぶ人は数えるほど…




僕の沈黙を勘違いしたのかシウォンがまあ寂しがるなって、なんて言ってくるのを苦笑で迎えた



「チャンミンには良いことだよ…僕にもね」


「無理すんなって」



「本当だって。お前だって覚えてるだろう?チャンミンの最初の頃」


というと合点がいった様子


「ああ…」




僕達も若返ったけどチャンミンは本当にまだ幼くて


それがデビューと共に何もかも一変してまるで嵐に巻き込まれたみたいに


まともに学校にも行けない…行ったとしても騒ぎになるからと隔離されて


僕はまた良かった…まだ周りも少し大人だったし田舎の学校ということもあって週末仕事をして月曜日に帰ってそのまま登校という生活でも大変なのは体力的な事だけだったけど


チャンミンは違っていたろう


生まれながらのソウルっ子だし一番遊んだり友達を作ったりしなければならない時期にそんな風に隔離されたり色眼鏡で見られたり


…大変だったんしゃないかと今にしてみれば思いやれることも当時は余り気にしてあげられなかった


何より僕自身がいっぱいいっぱいで



今でも心に残るエピソード


ある日半年ぶりくらいにとれた休日



皆朝早くから出払っていて後には僕と…具合が悪くてせっかくの休日だというのに寝ているチャンミン



かなり気が引けたけど構わないから出掛けて下さい、の言葉にあっさりと乗ってしまい


出掛けてそのまま夜半過ぎ


普段他のメンバーに比べて全くメールをよこさないチャンミンからのメール




〈今どこにいます?〉


〈早く帰ってきて?〉



皆と一緒にいても本の虫…真面目で努力家だけどいつも一歩引いたような態度


でもそうさせたのは僕達だった


年も近くて気の合うメンバー同士話しているとどうしたってマンネ扱いしてしまって


寂しい思いをさせたし何よりも普段自分の思いを言わない我慢強いチャンミンにこんなメールをさせるほど…



……僕は後悔した


二度とこんな思いをさせちゃいけない



次の機会には…と思う機会はなかなか訪れなかった



先日のツアーの最初具合の悪いチャンミンをみて


張り切って慣れない看病



気付かれないようにしたつもりがあろうことに自分が風邪を引いてしまったりして




舌打ちしたくなるエピソードの数々


初めて会った時にも僕は冷たかった



〈初めまして…シム・チャンミンと言いますよろしくお願いしますヒョン…〉



僕は目の前の気弱げな儚い感じの少年を眺めた


歌も踊りも初心者だけどスカウトされてカメラテストで一発合格した子がいる



やっかみやおもしろ半分の噂


僕はその日一年かけてデビューに漕ぎ着ける寸前まで来ていた練習生のグループが瓦解してしまって


やり場のない怒りを感じていた



オーディションのテープを盗られたりしても何とか勝ちとった練習生の生活もとうに四年を過ぎ


僕のデビューを心待ちにしていた祖父もデビューを待たずに亡くなってしまって


言い訳にならないけどそんな中現れたいかにも苦労知らずのお坊ちゃんぽい外見を見て



〈本気でやらないで遊びのつもりなら帰ったほうがいい…〉


瞬間こわばって固まったチャンミンの顔


しまった、と思った



何がどうあったってそれはこの子のせいじゃない


目の前のこの子のせいじゃないのに…


謝ろうとした瞬間不意にうつむかれて



お辞儀をして去っていく背中を見守った…


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