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東方神起  ホミン小説

現実が軽く妄想を超えるホミンの素晴らしさをお届けします

胸キュンしたい人は是非お試し下さい

セレブリティ4(ホミン小説)

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誰もいない家に帰るのがそろそろ寂しく感じられる季節


答えがなくてもただいまと云って靴を脱げばくつろげるはずの時間が何故か味気ない



リビングに入ると雑多な部屋の様子


積まれた資料を見てため息をついた




雑誌の企画で何をやりたい?と聞かれてまず思いついたのは親しい友人達と過ごす事…


忙しくてなかなか会えない現実を払拭するようなパーティーだった


何か月も前からの準備は楽しくて


クリスマスを待ちわびる子供みたいに心を踊らせながらの下準備


昔からの仲間の店で…料理はこんな感じで、とか楽しみながらの打ち合わせ


音楽も欠かせない、ゲームもしたいし


なにか特別な記念品なんかも作りたい…


なんて話を進める度に浮かんでくるアイデアについ笑みが浮かぶ



そして招待客リスト…


普段親しくしている仲間でもメンバーが一堂に会するのはもう四年以上前



リビングのソファーに座り眺めるだけのテレビをつけるのはもう習慣だ


そのまま寝てしまうこともある…


知らない間にかけられているブランケットやささやく声は無くなって久しい




〈そんなところで寝ちゃうと風邪ひいちゃいますよヒョン〉


幸せな記憶の欠片


〈ヒョンってば〉


肩にかけられる手の感触


〈あ~わかった…〉


曖昧な返事を呟き寝返りを打つとため息混じりに


〈また何度も同じこと言わせないで下さい…さっさと起きて寝室行って〉


〈もう…わかったわかった〉


ノロノロと起き出してふと交錯する視線


〈…なんですか〉


別に、と言うと少し剣呑な顔をするのに内心笑ってしまう…


〈そんなに心配なんだ…僕のこと〉


告げると真っ赤になって…盛大に否定する


〈違いますよ!〉


へえ、と我ながら意地の悪い…


〈全然違いますから…ヒョンが風邪ひいたら僕が一番困るじゃないですか!だからですから〉


〈そういう事にしとくよ〉


なんて返すと思い切り嫌な顔


〈しとくって何ですかしとくって〉


〈だって…〉


思わず飲み込む言葉


心配なんだろ?僕のことが気になって仕方ないって素直に言えばいいのに…なんて


嬉しかったり照れているとき下を向いて隠してしまう悪い…可愛い癖


時々まるっきり反対の事を言う憎らしい唇


もうわかっているのに…


何だかちょっと含み笑いの僕に冷たく響く言葉


〈人がせっかく親切で…もういいですヒョンなんか勝手にソファーでも床ででも寝てて下さい〉


血統書付きでプライドの高い猫みたいにツンとして向ける背中は僕よりも幾分線が細い


長い首筋…髪を短くしてなおさら強調された綺麗なうなじに腕を回すと邪険に振り払われた


〈なんだよ…そんな怒るなって〉


無言で歩き出す固い姿をゆっくりと追いかけまた肩に回した腕を今度は受け入れてくれる


〈…知りませんもう〉


〈心配してくれたのが嬉しかったんだって〉

ね?というと何やら呟きながら下を向いた…





まるでつい昨日のような幸せな記憶



バックから折れ曲がって角の取れた招待状を取り出してテーブルに投げ出した



チャンミンには一番に渡して…そして見事に断られてしまった


驚いて憮然とする僕に慌てて付け加える



〈だってヒョンの仲間のパーティーですよ?普段も行かないのに…〉


〈チャンミン〉


〈ヒョンだって…例えば僕がキュヒョン達とするパーティーだったら来ますか?〉


一瞬の躊躇


ずいぶん昔に一度だけチャンミン達が飲んでいる席に行ったことがある


まだ会の名前すら無かった頃


皆ちょっと驚いたみたいだけど歓迎してくれて…でも気付いてしまった


僕といるとつい僕を気遣ってしまうチャンミン


いつもの冗談や仲間内のジョークがわからない気まずさ



大体僕のいる席でどうやって僕の愚痴を言うっていうんだ?


いつも一緒にいて…お互いにどんなに想っていたってたまには喧嘩だってする


僕の事を愚痴ったり全く忘れてしまいたい時だってあるだろう


当たり前の話…何よりチャンミンが楽しく遊んだり皆に愛されているのを実感して


…席には一時間いたかどうか


まだ盛り上がる気配の席を嘘の用事で抜け出して



〈もう帰るんですかヒョン〉


複雑なチャンミンの顔



〈うん…ごめん〉



邪魔をしてごめん、とは言えなかった


でももう安心して…ここはチャンミンの場所


僕が一緒にいるべき場所じゃなかった







チャンミンがキュヒョン達とするパーティーだったら…?


慌ただしい気配の廊下と反対に痛いほど静まり返った部屋に静かなチャンミンの声



〈気持ちは嬉しいです本当に。でもこのパーティーに僕が行くのは…〉


〈わかった〉


短く単調な僕の声


〈ヒョン…〉


〈もうわかったから〉


…大人気ない僕の態度


悲しそうなチャンミンの様子に罪悪感と収まりきれない腹立ちのまま背中を向けると諦めたように背後で呟かれた



〈ごめんなさい…〉



その時の記憶が突然鮮明に蘇って思わず飛び上がりそうになる


自分でもういいなんて言っておきながらもうずっとバックに忍ばせている招待状


謝ってもう一度渡したかった


ちゃんと説明したかった


僕の大切な人達のパーティーだからこそチャンミンに来て欲しい


何の会だとか…そんなこと全く関係無い


ただチャンミンに来て欲しいんだって



でも時々舌打ちしたくなるほど思慮深くて遠慮がちなチャンミンがそう易々と承諾してくれるとは思えない



テーブルに投げ出された招待状


開きっぱなしのパソコンにはパーティーの概要が鎮座している


招待客のリストを眺めながらふと思い出す記憶



こんなふうにアドレスを開いて考えていた事があった


あまり思い出したくない記憶



あれは一連の騒動が終わってしばらく


今まで永遠に続くと思っていた夢から顔に冷水をかけたみたいに乱暴に起こされて

だんだんと自分の足元にすら忍び寄る黒い影と共にもろくも崩れ去った砂の城のような世界


何もかも失われた…


虚無の中で取り憑かれたように片っ端から電話をかけた



何百人もの長いリスト


友達だと思っていた…信じていた人達


今まで忙しさにかまけて果たされなかった約束


飲みに行こう、食事しよう、どこか行こう…


片っ端から電話をかけて


出てくれたのは一握り


今すぐ会ってもいいと言ってくれたのはほんの数人だった…





結局誰にも会うことはなかった

 
会ってくれると言ってくれた人には尚更会えない…今の自分を見せたくなかった


何を言ってしまうかわからない


貴重な関係だからこそ大事にしたかった…







ふと感じる寒さに破られるまどろみ


いつの間にか眠っていたみたいだ


なんだかだるいような身体をベッドへ引きずって横たわる


目を閉じて現実から逃げ出した

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